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Beauty Source キレイの魔法

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恋愛セミナー89【花咲園】

どうしてあの人が幸せに愛されているのかしら、と思われるような、
一見冴えない女性。
あなたの周りにもいらっしゃいませんか?

「新・良妻賢母のすすめ 」【ヘレン・B.アンデリン 著】という
アメリカで200万部も売れた本があります。
女性が夫や恋人、周囲の人々とどのように接したらよいかが書かれ、実行すれば、
うまくいっていない男女関係もたちまち修復されるというなかなか興味深い内容。
新・良妻賢母のすすめ 愛と幸せを約束する26章 ( 著者: ヘレン・B.アンデリン / 岡喜代子 | ...

「愛と称賛は男性にも女性にも大切。しかし、女性にとっては愛が、
男性にとっては称賛がより大事」なのだそうです。
男性の褒めて欲しい部分を見抜き、きちんと称賛できる女性は、
たとえ外見がそれほど優れていなくても、相手からみれば輝いて見えるのだとか。

このことをよく知っていたのが花散里。
数多いる源氏のお相手の中では、際立った美しさはなく、はじめのうちは
それほど大切にされていたわけではありませんでした。
めったに思い出してもらえない上、たまの逢瀬の途中でも違う女性の家が目につくと
源氏は横道にそれてしまう、そんな存在。
「恋愛セミナー11 花散里」

ところが、源氏が政治的に失墜し、須磨に流されてしまうことになったとき、
花散里の株は断然上がり始めます。
ほとんどの女性が、源氏が自分を置いて京を去ってしまうことを嘆く中、
彼女はひとり、復活を信じている。

おもしろいのは、わざわざ須磨まで「家の塀が壊れた」と知らせ、
源氏に直させていること。
「新・良妻賢母のすすめ」によると「日常生活の中で、重いものを持ち上げる、
固い蓋を開ける、鋸やハンマーを使いこなす」などは男性的特質で、
このあたりを頼りにし、称賛するのも相手をおおいに喜ばせることになるのだそうです。

もちろん、源氏が直接、出向いていって塀を直したわけではありませんが、
世間からすっかり忘れられてしまっているときに、頼りにされるということは
非常に嬉しかったことでしょう。
経済的に支えていることを、折にふれてきちんと褒めることも大事なのだそうですが、
花散里はこの点でも、源氏にきちんとその意を伝えていたに違いありません。
「恋愛セミナー12 須磨」

源氏は京に戻ってからは、花散里をすっかり頼りにし始めます。
一人息子の夕霧の母代わりや、衣の世話を頼んだり。
(衣装を用意するのは正式な妻の役目。)

そのあと、花散里はどうなったでしょうか。
並み居る美女に立ち混じり、贅の限りをつくした玉の台・六条院に迎えられる
確固たる地位を手に入れるのです。
「恋愛セミナー21 乙女」

もうひとつ注目したいのは彼女がなかなか鋭い視点をもっていたこと。
源氏の弟である兵部卿宮が老けていることを、源氏の美しさを伝える形で指摘しています。
「恋愛セミナー25 蛍」

エドワード8世に王位を捨てさせるまでに愛されたシンプソン夫人も、
辛らつかつ相手を褒めるという話術を使いこなしていたとか。

今の世も玉の輿に乗る女性は、花散里のように男性の褒めて欲しい部分と
それを効果的に伝える手段を知り尽くしているのかもしれませんね。


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